ビットコインから分裂した仮想通貨「ビットコインキャッシュ」とは?特徴

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2017年8月、仮想通貨の歴史において大イベントの1つに数えられる出来事が起きました。仮想通貨の代名詞であるビットコインが、まさかの「分裂」を起こしました。
それによって誕生したビットコインキャッシュは、2018年1月時点で誕生から半年ほどになります。今回はビットコインキャッシュの特徴について解説します。
ビットコインキャッシュとは
ビットコインキャッシュは、ビットコインからハードフォークにより分裂し、別個の銘柄となった仮想通貨です。一部では「ビットコインキャッシュこそが正統なビットコインだ」という主張があります。
分裂の経緯
ビットコインキャッシュに分裂したきっかけは「スケーラビリティ問題」です。これはビットコインの取引が増加し、ブロックチェーンへの追記作業が追いつかないことが問題視されていました。
当時、ビットコインに関わる人たちは「Segwit」導入によってこの問題を解消しようとしていました。1つのブロックに書き込む情報量を減らすことで、多くの取引を素早く認証するという仕組みです。
これに対して反対の意思を示したのがマイナー集団です。その中心にいたビットメイン社はASICBoostという回路によってマイニングを行っていたのですが、Segwitが導入されるとこれが使えなくなってしまうのです。
反対派の方針は、Segwitを導入せず、1回に作られるブロックのサイズを大きくすることでスケーラビリティ問題を解決するというものです。これによりハードフォークを宣言し、8月に分裂してビットコインキャッシュが生まれました。
時価総額4位の価値を持つ
ビットコインキャッシュの特徴として、ビットコインキャッシュは、「ビットコイン」「イーサリアム」「リップル」に次いで時価総額ランキングの第4位に位置しています。
発行枚数はビットコインと同程度で、2018年1月時点では約1,700万枚が発行されています。単価は同時点で約18万円で仮想通貨の中ではビットコインに次ぐ高額単価となっています。
ビットコインの8倍のブロック容量
前述の通り、ビットコインキャッシュはスケーラビリティ問題の解決のためにブロック容量を8倍に増やしています。これにより、単純計算では従来のビットコインの8倍の処理速度を持つということになります。
仮想通貨の価値が認められ、市場に流通すればそれだけ取引量も増加します。増加した取引量が仮想通貨の決済処理速度の範囲を超えるものであれば、決済が承認されるまでに時間がかかり、通貨として不便です。
8MBのブロック容量を持つビットコインキャッシュは、毎秒20~90の取引を処理できるとされています。今後、決済手段としてビットコインキャッシュが注目されるようになれば、この特徴が十分に発揮されることでしょう。
リプレイアタックへの対策済み
ビットコインキャッシュは、「リプレイアタック」に対する対策を実施しています。リプレイアタックは仮想通貨を盗み出す攻撃であり、ユーザーの資産を守るためにはこれを防がなければなりません。
また、ハードウェアウォレットのセキュリティ向上も実現しています。マウントゴックス事件以降、仮想通貨を利用するにあたっていかにセキュリティが重要であるという点が取り沙汰されています。
ビットコインキャッシュはセキュリティ面で優れており、その利用価値を高めています。
マイニングの難易度を改善している
ビットコインキャッシュは、分裂するにあたって従来のビットコインとは異なるアルゴリズムを採用しています。その後、2017年11月にビットコインキャッシュはハードフォークを行い、マイニング難易度調整を改善しました。
分裂後のアルゴリズムでは、マイニング難易度の調整が極端であり、難易度が調整されたタイミングでマイナーが集中するという不安定さをもたらしてしまいました。
11月のハードフォークではその問題を解消しています。また、今後もアルゴリズムの改善が予定されており、より良い仮想通貨としての成長が期待されています。
以上、ビットコインから分裂した仮想通貨「ビットコインキャッシュ」の特徴のまとめでした。
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